今月の主題 内科医に必要な精神科の知識
よく遭遇する症候
頭痛
大月 三郎
1
1岡山大神経精神医学
pp.1320-1321
発行日 1979年9月10日
Published Date 1979/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216033
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頭痛の診察
頭痛の臨床では問診が重要である.頭痛の発症と経過,痛みの性質,身体的・精神的随伴症状の有無について聞くことで,かなりの程度まで鑑別診断が可能である.頭痛の鑑別はまず器質性疾患(脳種瘍,頭蓋内血腫,髄膜炎など)の除外から始まるが,これには,進行性経過をとる場合には十分注意し,慎重に全身所見,神経学的所見をとり,脳波,頭部コンピューターX線断層,髄液などの諸検査を行う必要がある.
頭痛の性質では,ずきずきする拍動性(血管性)か,締めつけられるような痛み(筋緊張性)かの区別が必要である.頭痛に悪心,嘔吐を伴うか(脳圧亢進,片頭痛),めまいや手指しびれ感を伴うか(高血圧,動脈硬化),発熱の有無,頭部外傷の既往,意識障害やけいれん発作の有無,家族歴の有無などをきく.
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