今月の主題 胃癌とその周辺
グラフ
良性潰瘍と胃癌の鑑別
熊倉 賢二
1
,
杉野 吉則
1
1慶大放射線診断部
pp.680-686
発行日 1979年5月10日
Published Date 1979/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215875
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はじめに
胃潰瘍(良性)および胃癌(進行癌,早期癌)のX線診断について,基本的な考え方をまとめてみる.
胃潰瘍をX線で診断する立場に2つある.1つは,ニッシェにより個々の潰瘍をできるだけ的確に発見し,質的に診断しようとする立場である.これは,Haudek(1910)以来,胃潰瘍のX線診断の主流をなすものである.もう1つは,ニッシェは認められにくいのに,胃の変形の著明な線状潰瘍や多発性潰瘍にあてはまることであるが,胃の変形によって,潰瘍の存在および存在部位を推定しようとする立場である.これは,戦後わが国で完成された.この2つの立場から胃潰瘍を追求することによって,胃潰蕩のX線診断はいっそう確実になる.
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