今月の主題 心筋症—その展望
心筋症を疑うとき
胸部X線像—アンギオを含む
松山 正也
1
1東海大放射線科
pp.60-64
発行日 1979年1月10日
Published Date 1979/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215722
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はじめに
心筋症には,①原因または関連疾患の不明な心筋疾患,②既知の全身疾患を伴った心筋疾患,③種々の内因性原因による心筋疾患が含まれる,このうち①は特発性心筋症(idiopathic cardiomyopathy;ICM)と呼ばれ,臨床的にはうっ血型(congestive type;CCM)と肥大型(hypertrophictype;HCM)に分けられる2,3).CCMとは左室内腔が拡張して収縮力が低下し,血液の駆出率が低下してうっ血性心不全を発生しやすい型であり,HCMとは左室の拡張はなく壁の肥厚が主で,拡張期弛緩(コンプライアンス)に問題があるものである.HCMの中で心室中隔が非対称的に肥厚して収縮期に流出路閉塞をきたすものを閉塞型(obstructive type;HOCM),流出路閉塞を伴わないものを非閉塞型(non-obstructive type)として区別する.②,③は種々の疾患や原因によるものを含み,そのX線像も多彩であるが,その多くはうっ血型心筋症の形をとるものが多い.本稿では特発性心筋症につき,そのX線学的特徴を述べることにする.
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