内科臨床に役立つ眼科の知識
血圧亢進に伴う眼底病変(3)—本態性高血圧症の眼底所見
松井 瑞夫
1
1日大眼科
pp.888-889
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207923
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前回まで2回にわたって,血圧亢進をきたす原因疾患に関係なく,眼底にみられる病変をどのようにとらえ,またどのように解釈するかという立場から,血圧亢進に際してみられる眼底病変について解説を行ってきた.しかし,個々の症例に実際に眼底検査を行うときには,何らかの原因がある血圧亢進か,本態性高血圧症かということになる.今回はなんといっても頻度の高い本態性高血圧症を取り上げて,その眼底病変について解説する.
さて本態性高血圧症にみられる眼底病変は,前回までに述べた高血圧性変化と細動脈硬化性変化とがいろいろに組み合わさって構成されるものであり,4月号の表2に示した眼底病変の病名でいえば,高血圧眼底,動脈硬化性網膜症,高血圧性網膜症,高血圧性視神経網膜症の所見がみられるということになる.
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