今月の主題 消化・吸収の基礎と臨床
外分泌と消化・吸収
胆汁分泌
大菅 俊明
1
1筑波大臨床医学系内科
pp.638-639
発行日 1978年5月10日
Published Date 1978/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207862
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はじめに
胆汁は有機,無機の化合物を含む複雑な水溶液で,肝において生成され,毛細胆管を経て胆管に分泌される.他の外分泌液と異なる点は,いったん腸管内に排泄されたのち,胆汁の諸成分が再び腸管から吸収されて,腸肝循環をすることであり,この現象は胆汁生成,分泌の生理に大きな影響を与えている.胆汁の1日分泌量は約1500mlである.その生理的意義の最たるものは,食餌脂肪の消化・吸収を助けることであるが,胆汁主成分の一つである胆汁酸はコレステロールの異化産物であるから,胆汁生成はコレステロール代謝の調節にも関連している.
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