今月の主題 胸痛の診かた・とらえかた
胸痛患者診かた—問診から身体所見まで
循環器疾患
森 文信
1
1下関市立中央病院内科
pp.326-327
発行日 1978年3月10日
Published Date 1978/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207769
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はじめに
今日,当院のような病院では,胸痛を訴えて来院した場合,診察の時間を短縮し能率を上げるために,主訴と簡単な問診だけをまず済ませ,一般検尿,血球計算,胸部x線撮影および心電図などの検査を指示し,その結果をみながらさらに詳細な問診をしたり,さらに必要な検査を行う方法をとらざるをえないような状況である.あるいは,あらかじめ12誘導心電図を調べることなしにMasterの2段階負荷試験を行って,診察のときになって負荷をしてはならない心疾患であることを発見して狼狽することもある.本来,問診を十分に行い,身体の診察を行ったうえで必要な検査を行うべきであるのに,ときとしてこのような事態になりがちである.このような過ちを防ぐ意味でも,病歴をとり,視診,触診,聴打診,血圧測定をまず行うことがもう一度強調されなければならない.
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