今月の主題 知っておきたい骨・関節疾患の診かた
骨・関節疾患—最近の動向
石田 肇
1
1日医大理学診療科
pp.2250-2251
発行日 1977年12月10日
Published Date 1977/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207651
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はじめに
骨・関節疾患の最近の動向として,整形外科領域においても,他科におけると同様に細分化,専門化が行われ,手の外科をはじめ脊椎外科,股関節外科,膝関節外科,肩関節外科あるいは骨系統疾患研究会,先天股脱研究会などのようにそれぞれの専門家ができて,その診断に,治療に著しい進歩を遂げたことがあげられよう.
ことに国民の平均寿命の延長とともに退行変性性疾患が増加し,変形性脊椎症,変形性膝関節症などは,その増加の一途をたどっていることも事実である.こうした老齢化とともに,必然的に悪性腫瘍の骨転移,ことに乳癌,子宮癌,甲状腺癌,腎癌,胃癌,肺癌,前立腺癌などの癌の初発症状が脊椎転移,脊椎病的圧迫骨折などで発見されることも少なくなく,剖検によりはじめて初発巣の発見されることも稀ではない.
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