演習・X線診断学 血管造影写真読影のコツ・8
上部消化管
古寺 研一
1
,
平松 京一
1
1慶大放射線診断部
pp.1157-1164
発行日 1977年8月10日
Published Date 1977/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207325
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
消化管の診断は,バリウム検査および内視鏡検査による粘膜面からの検査があくまでも主体ですが,血管造影を行うことにより,それらの検査では得ることのできない情報,たとえば悪性腫瘍の管腔外への広がりなどを知ることができ,また,手術前に血管の解剖学的変異や肝転移の有無などを知ることができます.さらに静脈瘤や消化管出血などの血管性の病変の診断には,血管造影が非常に有用であることはいうまでもありません.
このように近年では,血管造影法の普及に伴って,消化管の診断においても実質臓器の場合と同様に,血管造影がしだいにルーチン化されつつあり,その評価も確立されつつあります.また,血管造影施行時に,そのカテーテルを通じて薬剤などを注入するという,治療への応用も行われるようになってきています.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.