図解病態のしくみ—甲状腺疾患・6
単純性びまん性甲状腺腫(simple diffuse goiter)の成因
永田 格
1
,
矢倉 俊洋
2
,
内野 治人
2
1関西電力病院第1内科
2京大第1内科
pp.580-581
発行日 1977年4月10日
Published Date 1977/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207167
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はじめに 機能的には正常である甲状腺疾患はおよそ表のように分類される.この表は1969年Wernerらの用語委員会報告を参考にしている.症状は甲状腺腫を主とする.これをびまん性と結節性とに分けると,表中A,E,Fが前者に,残りが後者に属する.しかし例外的症例も少なくない.Cはむしろびまん性に随所に結節性増殖を生じ,腺腫様甲状腺腫(adenomatous goiter)ともいわれる.E2は結節として触知されることが多い.結節性のものはほとんどが単発のadenomaで,嚢腫はその一部が変化したものである.臨床上重要な悪性腫瘍は予想以上に多く,その診断は必ずしも容易ではない.
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