図解病態のしくみ
バセドウ病における甲状腺機能亢進症の原因
永田 格
1
,
矢倉 俊洋
2
,
内野 治人
2
1関西電力病院第1内科
2京大内科
pp.1568-1569
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206836
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
バセドウ病は,現在自己免疫病として,その定義を満たさないにもかかわらず,なおそのように考えられているが,その理由の第一として,TSH様活性をもつ特有の液性自己抗体の存在がある.そして,本病の甲状腺機能亢進症の原因として再び注目されている.自己免疫性内分泌疾患としては橋本病のほかに,特発性副甲状腺機能低下症,アジソン病,男子不妊症,糖尿病の一部などが考えられるが,いずれも機能低下を示すのが普通で,バセドウ病にみられるような機能亢進は例外的である.自己免疫機序のうち組織障害の主役である細胞性免疫はむしろ橋本病において強く働いているようである.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.