今月の主題 内分泌疾患診断の進歩
内分泌機能検査の動向
岡田 義昭
1
,
熊原 雄一
1
1阪大第4内科
pp.476-478
発行日 1977年4月10日
Published Date 1977/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207142
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反応機序と検査の原理
生体が動的平衡を保ちながら生命を維持しようとするホメオスタシスに神経系と内分泌系が重要な役割を果たしていることは周知のとおりである、たとえば「疾走」に対して,上位中枢から交感神経系を介して,交感神経末端からノルエピネフリンが,副腎髄質からエピネフリンが放出され,心臓,血管,肝臓,脂肪組織に作用して,血圧を上げ,血流をよくし,血糖を上げて,活動に対処しようとする.こうした〔刺激〕→〔ホルモン分泌〕→〔末梢での作用〕という一連の反応系は多くのホルモンにおいて共通するものである.
ホルモンは上記カテコーラミンと同じように,ある刺激が加わると,それが産生される細胞内から細胞外に放出され,solubleの形で遊離し,多くは血液中にある蛋白と結合して血中を移動する.この蛋白はそれぞれのホルモンに特異的な場合が多い.たとえばサイロキシンホルモン結合蛋白(TBP),コルチゾール結合グロブリン(CBG)などがそれである.遊離したホルモン(ペプチド性)が他の標的臓器あるいは標的組織の細胞膜にある受容体と結合すると,細胞内のadenyle cyclaseが活性化され,これによってATPがcydic ATPとなり,これが細胞内の酵素活性を高めて生化学的な変化を起こす.
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