今月の主題 熱性疾患への臨床的アプローチ
各種疾患と発熱
膠原病
大藤 眞
1
1岡山大第3内科
pp.350-351
発行日 1977年3月10日
Published Date 1977/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207108
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膠原病のすべてに発熱があるわけではないが,一般的に膠原病の共通症状の筆頭に発熱があげられているごとく,膠原病の臨床的概念としては発熱疾患というイメージが定着しているようである.それは,膠原病の範疇には全身性エリテマトーデス(以下SLE)とその周辺疾患,結節性動脈周囲炎(以下PN)とその周辺の血管炎疾患など発熱性疾患が多数あるので,臨床家が不明発熱疾患に遭遇したとき,まず感染症のたぐいか膠原病のたぐいかの鑑別に腐心しなければならないことが多いことによっても理解できる.
しかし,膠原病を古典的6膠原病にしぼってみると,一応発熱にとくに関連が深いのはSLE,PN,リウマチ熱(以下RF)の3者であり,ついで皮膚筋炎(以下DM)(多発性筋炎-以下PM-を含む)も急性期には比較的発熱が多い.しかし,慢性関節リウマチ(以下RA)では特殊の場合には発熱があるとはいうものの,本症には発熱性疾患というイメージは少なく,また強皮症(以下PSS)にはふつう発熱は特徴的ではない.
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