今月の主題
膠原病
大島 良雄
1
1東大物療内科
pp.828-831
発行日 1964年9月10日
Published Date 1964/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200447
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膠原病,よく耳にすることばであるが,その解釈はまちまちである。人はリウマチ性疾患の同義語と解しているが,近い将来に自己免疫疾患のなかに包括されてしまう運命にあるとみている者もある。主要な発症の要因としてアレルギー現象に伴う蛋白代謝異常を重視する者もあれば,形態的に共通に見られる血管炎こそ膠原病の本態であり,臨床症状によつて分けられた従来の考えかたはたんなる亜型の記載にすぎないと主張する者すらある。この病理学の分野より導入され臨床医学に大きな波紋を生じた概念も,そろそろ臨床家の手で整理される時期にはいつているのではあるまいか。
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