今月の主題 肺のびまん性陰影をめぐって
Systemic lung disease
膠原病
重松 信昭
1
,
宮崎 信義
1
,
石丸 秀三
1
1九大胸部疾患研究施設
pp.819-823
発行日 1976年6月10日
Published Date 1976/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206610
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はじめに
びまん性陰影を呈する疾患の中で,膠原病による変化は難治性,進行性であるので,後に述べる1例のように,早期診断の場合すなわち線維化進行による肺構造(自浄機構を含む)変化の少ない場合にのみ,steroidの効が明らかで,二次的感染などによる予後不良をきたすことも少ない.早期診断のためには,全身ならびに呼吸器症状の解析も細心の注意を要するが,より重要な診断の入口として胸部X線像の解析がある.この問題については,本特集の中で野辺地による別報があるが,膠原病を中心として考察したいくつかの問題点を述べてみたい,とくにその中では,初期の肺病変が,肺のどの領域にみられるかが問題で,X線像における病変分布解析につながる.
膠原病における肺病変の発生頻度は重要であるが,すでに萩原ら1)の報告がみられるので,一部の問題を除いては略すことにしたい.
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