今月の主題 心筋梗塞—今日の問題点
心筋梗塞と鑑別すべきもの
肺梗塞
前田 如矢
1
1阪市大第1内科
pp.34-35
発行日 1977年1月10日
Published Date 1977/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207018
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激しい前胸部痛のある患者を診た場合,まず狭心症・心筋梗塞など虚血性心臓病を考えねばならないが,ほかにも類似の様相を示す病気がかなりあり,これらのものと鑑別する必要がある.すなわち,①心臓・大血管から起こるもの(心膜炎,解離性大動脈瘤など),②心臓以外の胸腔内臓器から起こるもの(胸膜炎,自然気胸,肺炎,肺梗塞など),③胸壁からの疹痛(帯状庖疹,神経根症,骨の変化など),④腹部内臓からの放散痛(横隔膜ヘルニヤ,消化性潰瘍,幽門けいれんなど)などがあげられる.これらのなかで,鑑別の難易度,併存する臨床症状,予後などよりみて,もっとも問題となるのは①および②である.
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