臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
VIII.中枢神経系疾患の診断技術
7.神経眼科的検査—とくに眼球運動の診断および検査法
石川 哲
1
1北里大神経眼科
pp.1786-1790
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206897
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眼球運動を支配する神経の走行路は,脳内の種々なる部位を経由し眼に到達する一したがって,神経学に携わる神経内科医,脳外科医,精神科医などは,視覚系および瞳孔運動の経路のみならず,この眼球運動についても種々なる疾患の診断には眼球運動の知識なくしては,その診断がほとんど不可能であるとまで極言する学者もいるくらいで,眼球運動系に関するテストを熟知しておくことは日常極めて重要な事柄である.過去には,いわゆる脳神経麻痺として現れた眼筋麻痺の診断が,主として感覚面からなされる方法が支配的であったが,最近ではそれよりもさらに進み,medical electronicsを利用した詳しい眼球運動検査からsub-clinical levelまで眼球運動異常を診断する試みが世界で行われている,したがって,ここではまず外来で行われる種々なる検査を簡単に紹介し,さらに最近のME利用による検査法について若干紹介し,続いて現在どのような話題がトピックスとして取り上げられているかについて若干紹介してみることとする.
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