今月の主題 電解質異常のすべて
どんな電解質異常が起こるか
糖尿病
繁田 幸男
1
,
吉川 隆一
1
1阪大第1内科
pp.1524-1525
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206820
- 有料閲覧
- 文献概要
糖尿病は衆知のごとく,インスリン作用の不足によって生じた代謝異常状態であるが,その主たる変化は,糖質,脂質,蛋白質などの栄養素の代謝異常である.糖尿病に際してみられる電解質の異常は,2,3の臓器でKの膜透過性に対するインスリンの直接作用が証明されてはいるが1),むしろ上述の各栄養素の代謝異常に続発して起こってくるものと考えてよい.したがって,糖尿病の臨床上問題となる電解質異常は,糖尿病が良好にコントロールされている場合には出現せず,なんらかの原因により急性代謝失調の状態に陥った時に発症してくるものである.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.