内科専門医を志す人に・私のプロトコール
血液・呼吸器
革島 恒徳
1
,
梅村 康順
2
1神戸市立中央市民病院内科
2住友病院内科
pp.724-725
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206582
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この症例は,昭和47年に経験した症例である.生来健康であった者が,昭和43年,溶接中に右眼に鉄片が入り,虹彩炎を生じ右眼摘出術を受けた.この時期を契機として貧血を認めるようになった.入院当初,発作性夜間血色素尿症(PNH)よりむしろ再生不良性貧血(再不良)と診察し治療を行った.再不良,とくにに非定型例に遭遇した場合,一応PNHを考慮してsugar-water-test, Ham's-testなどのPNHに関する検査をすすめる必要があるといわれている.供覧例では,病初にPNHを疑わなかったため,赤血球異常に関する検査や,血色素色,ヘモジデリン尿症について観察せず,再不良と診断してしまった.
本症の溶血機序については,未だ明らかにされていないが,供覧例でも,赤血球中各種酵索,赤血球膜の脂酸構成について検討を加えたが,不明な点が多かった.
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