内科専門医を志す人に・私のプロトコール
循環器
革島 恒徳
1
,
梅村 康順
2
1神戸市立中央市民病院内科
2住友病院内科
pp.256-257
発行日 1976年2月10日
Published Date 1976/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206436
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心臓病学の診断技術は,年々すさまじく進んでおり,UCGはその代表とも思われる,先天性,後天性心疾患における心電図,UCG,心カテーテルデータなどの診断的特徴所見の理解は,プロトコール記載の上でも要求されるものである.
ここに提示した症例は,陳旧性心筋硬塞十心室瘤の症例である.心室瘤は心筋硬塞にかかった患者の10〜36%に発生し,好発部位は左室前壁ないし心尖部で,しばしば異常拍動を胸壁に触知する.心室瘤の自然歴は,5年以内に80%が死亡する.外科的手術適応となるのは,内科的治療に抗する心不全の原因となったり,恒常的狭心症,心室性不整脈,塞栓症をきたす場合である.本例は,内科的治療に抗する心不全が持続したため,半年後に心室瘤切除術と血管再建術が行われた.
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