今月の主題 甲状腺疾患のすべて
臨床的アプローチ
原発性甲状腺機能低下症の治療
成人型
飯野 史郎
1
,
伴 良雄
1
1昭和大第3内科
pp.1380-1381
発行日 1975年8月10日
Published Date 1975/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206180
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甲状腺機能低下症には,甲状腺自身の障害による原発性甲状腺機能低下症,下垂体前葉の障害による二次性甲状腺機能低下症および視床下部障害による三次性甲状腺機能低下症の3種があるが,本稿では誌面の部合で,このうち,原発性甲状腺機能低下症に限り,また,とくに成人型の治療についてのみ述べたいと考える.
原発性甲状腺機能低下症の原因には数多くのものがあるが,最近,もっとも重要視されているのは慢性甲状腺炎または放射性ヨード療法に続発するものであり,また,甲状腺手術後の低下症の発現頻度も,従来の報告よりも高いのではないかといわれている.甲状腺機能低下の原因が,甲状腺組織の崩壊または減少による場合には,甲状腺ホルモンによる補充療法を終生行わねばならない.したがって,治療に当たっては,患者によくその旨を理解せしめ,途中で治療を放棄することのないように説得せねばならない.
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