今月の主題 甲状腺疾患のすべて
臨床的アプローチ
甲状腺機能亢進症の病態
網野 信行
1
,
熊原 雄一
1
1阪大・中央検査部
pp.1360-1362
発行日 1975年8月10日
Published Date 1975/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206172
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はじめに
甲状腺機能亢進症は,末梢血中において活性型ホルモンである遊離型甲状腺ホルモン量が高値を持続することにより惹起される疾患である.最近2種類の甲状腺ホルモン,すなわちサイロキシン(T4)およびトリヨードサイロニン(T3)あうち,最終的に直接ホルモン活性を有するのはT3ではないかとする考え方もあり,遊離型T3がより注目されている.その詳細は本特集の他項にゆずる,臨床的に甲状腺機能亢進を示す疾患のほとんどがバせドウ病であるが,他に表1に示すような疾患がある.甲状腺ホルモン過剰分泌に起因する臨床症状および所見は表2に示したごとくである.本稿ではこれらの症状・所見についての詳細は省略させていただき,バセドウ病の病因論を中心にした病態を述べ,さらにプランマー病の病態につき,バセドウ病と比較考察する.
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