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診断基準とその使い方
一過性脳虚血発作
Transient Ischemic Attack
大友 英一
1
1浴風会病院・内科
pp.841-843
発行日 1975年4月10日
Published Date 1975/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206010
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概念 一過性脳虚血発作とは,一過性に神経症状が出現するもので,動脈の粥状硬化と密接な関連を有し,脳梗塞を伴わないものとされている.神経症状は通常短時間(5〜10分が最も多い)出現して消失し,脳梗塞を伴わないということから,症状出現時医師が現場にいることは稀であり,医師を訪れた時神経学的所見のないこと,各種の臨床検査で必ずしも診断を確かにする所見に乏しく,診断は患者の訴えによってなされる点,また受診時症状があっても確実な診断は症状消失をまってはじめてなされることもあり,いろいろ問題の多いclinical entityといえる.
一方,本発作は多いものであり,くり返しているうちに脳梗塞に進展することが少なくないことから,臨床上極めて重要なものである.通常,一過性脳虚血発作とは再発性のものを指し,本項ではこれについてのみ述べる.
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