特集 これだけは知っておきたい検査のポイント
VI.血液検査
白血球数
服部 理男
1
1埼玉がんセンター
pp.476-478
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205874
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異常値を示す疾患
白血球という名で,顆粒球,単球,リンパ球を総称し,顆粒球は好中球,好酸球,好塩基球から成り立っている、したがって,それら各種血球の増減は白血球総数(以下白血球数)に直結しているわけであるが,好酸球,単球,好塩基球は絶対数が少ないため,ことに減少時に白血球数の異常としてとらえにくい.白血球数の異常は,主として好中球,あるいはリンパ球の数の異常によることが多いが,好酸球,単球,好塩基球のいずれかが著しく増加して白血球数増加をきたすこともある.表1は各血球種ごとに増加する原因を列挙してあるが,なかには単独で白血球数をかえることの少ないもの,あるいは単独では起こりにくいものも含まれている.しかし,最近の血液学書にみられる,原因論的に抽象的な血液学用語を用いた分類よりも理解しやすいし,疾患の頻度の記述という観点でも勝っているので,あえてこのような形式にした.
表を一覧すればわかるように,白血球増多の原因はきわめて多いし,実際の症例でも白血球増多は複数の原因によって起こることが多い.表2には白血球減少の原因を顆粒球減少,リンパ球減少に分けてあげた.白血球減少の原因は,遺伝性のもののように特殊な原因によるもののほか,一般的な原因,あるいは複数の原因によっている場合もあるが,白血球増多よりやや特殊な原因で起こる場合が多い.
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