特集 これだけは知っておきたい検査のポイント
I.尿検査
尿中ビリルビン
小坂 淳夫
1
1岡山大第1内科
pp.416-418
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205851
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尿中にビリルビンを証明するには,通常グメリン(Gmelin)試薬,またはロザン(Rosin)試薬を尿に重層して,その境界面に緑色のビリベルヂンを証明することで判定する.この場合,尿中ビリルビン濃度は0.1〜0.2mg/dl以上である.一般にビリルビンを多量に含む黄疸尿は黄褐色を呈し,振盪して上層に泡沫を生ずると,その泡沫が黄色に染まることで間接的に証明することもできる.
さて,尿中にビリルビンを証明する場合は少なくとも一定量の直接ビリルビンが血中に停滞していることが必要である.ビリルビンのうち直接ビリルビン,すなわち水溶性ビリルビンは腎より排泄される.排泄部位は糸球体を考えている学者も多いが,筆者らの教室での研究では尿細管であって,一定の排泄閾が存在する.直接ビリルビンは抱合ビリルビンとも呼ばれ,大部分はグルクロン酸と抱合しているが,一部は硫酸燐酸抱合,および塩型ビリルビンであり,それらは肝の小胞体で,遊離型のビリルビン(脂溶性)より生成される.また抱合ビリルビンは尿細管より排泄される際,一部は分解されてdipyrryl(propentdyopentなど)として排泄される.
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