診療相談室
歯牙再植術について
上野 正
1
1東京医歯大・第1口腔外科
pp.267
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205327
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質問 小児永久歯の外傷性の完全脱落時の校医としての処置.もう一度もとの創へそう入しても活着するというが,それまでの一般内科・小児科医として,歯科へ送るまでどうしたらよいか,また活着の割り合いおよび治癒までの日数,それまでの安静度,通学の可能性など具体的にご教示ください. (高知市,M生)
答 打撲などの外傷により完全脱臼した永久歯は,その歯槽窩を構成する骨質や周囲歯肉に挫滅的な損傷がない場合,早期に適切な処置を施したうえ,もとの歯槽窩に再植(replantation)し,ある期間,固定,安静を保つと,生着して十分咀囎に堪え,機能を果しうるものである.この歯牙再植術はすでにローマ時代にも,また中世アラビア医学の盛んな時期にも行なわれたといわれ,下って18世紀にはヨーロッパでPar6,Bourdet,Callisenらの記載が残されている1).
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