今月の主題 酸・塩基平衡異常—その日常臨床とのつながり
代謝・内分泌と酸・塩基平衡異常
内分泌疾患
折茂 肇
1
1都立養育院病院・内分泌科
pp.212-213
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205311
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酸塩基平衡の調節を行なっている主な器官は肺および腎であるが,いろいろなホルモンも直接的または間接的にこれらの器官に作用するので,内分泌疾患においても酸塩基平衡の異常が認められる.しかしながら内分泌疾患において認められる酸塩基平衡の異常は通常軽度であり,それ自身が治療の対象になることは特別な場合を除き少ない.この特別な場合は,いわゆる続発性副甲状腺機能亢進症の範疇に入る腎性クル病で,かかる場合には酸塩基平衡の治療が骨病変の治療に直接つながるので臨床的意義が大きい.これに対して,副腎疾患において認められる酸塩基平衡の障害はあまり治療の対象にならないことが多く,かかる意味では臨床的意義が少ないものといえよう.以上のごとき理由で,本小文では副腎疾患に伴う酸塩基平衡の障害については簡略に止め,主として副甲状腺疾患における障害につき述べたいと思う.
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