特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
XI 感染症
2.特殊な感染症の治療
妊娠と化学療法
高瀬 善次郎
1
1川崎医大産婦人科
pp.2000-2001
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205197
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妊婦に化学療法を行なう場合,最も留意しなければならないことは,胎児への影響であろう.また,テトラサイクリン系抗生剤のように,母体に直接,影響を与える恐れのあるものもあるし,さらに,姓娠中毒症などで,腎機能の低下しているものでは,血中濃度の半減期の延長などが起こるので,1回の投与量,投与間隔などに考慮する必要がある.
ところで,妊娠中に頻度の高い感染症は,腟トリコモナス,カンジダなどによる腟感染症,膀胱炎,腎盂腎炎,無症候性細菌尿などの尿路感染症,および前期破水についで起こる羊水感染,胎児子宮内感染などがある.さらに,呼吸器系感染症などの偶発感染症もみられるのである。
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