特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
XI 感染症
1.諸種感染症の治療
敗血症の変貌と化学療法のポイント
長谷川 弥人
1
1慶大内科
pp.1984-1986
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205190
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
変貌の概略
戦前の敗血症と戦後のそれの大きな差異は1)昔多かった基礎疾患のない敗血症は激減し,現在ではほとんどすべての症例は基礎疾患に伴って起こっている.2)溶連菌が主要な原因であったが,戦後それがほとんどなくなり,ブドウ球菌がこれに代わり,最近ではグラム陰性桿菌が主要原因を占めている,といえる.
図はわれわれの年度別にみた最近約10年の菌検出の推移であるが,この成績は真下の本邦集計ときわめて近似である.またPseudomonasの増加傾向はアメリカの報告でも同様である.さらに注目すべきは2種以上の菌種を証明するいわゆる重複感染例が多くなったことであろう.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.