特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
X 腎・泌尿器
5.利尿法のポイント
腎疾患と利尿剤の使い方
波多野 道信
1
,
小船 善弘
1
1日大第2内科
pp.1964-1965
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205182
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浮腫(体内にNa,水が貯溜した状態)といえば,まず第一に腎疾患を念頭に浮かべる程,腎疾患と浮腫との間には密接な関連を有するものであり,したがって腎疾患の治療面での利尿剤のはたす役割は極めて大きい.しかし浮腫を合併している腎疾患の中で,絶対的に利尿剤の適応となることは比較的少ない.例えば急性腎炎時の浮腫は,安静と塩分摂取制限のみで消失するであろうし,浮腫をきたす代表的な疾患であるネフローゼ症候群にしても,利尿剤を最初の浮腫治療薬として選ぶことは少ない.
一方,急性腎不全,慢性腎不全時の乏尿に対する利尿剤の役割は,単に患者の苦痛を除去するばかりでなく,代謝面の改善,他の治療法による治療効果促進などの面でも,極めて重要視されるものがある.
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