今月の主題 転換期に立つ検診
検(健)診実施上の問題点
呼吸器検診
長岡 滋
1
1都立広尾病院・呼吸器科
pp.976-977
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204847
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はじめに
検診といわれるカテゴリーに属するものの中で,呼吸器検診は比較的長い歴史をもつものであり,かなりの功績をのこしているものと思われる.結核が未だに種々の問題をのこしているとはいえ,ひとつの転換期に達しえたのは,化学療法の開発とともに集団検診の普及に負うところが大きい.
疾病の分布は時代的および地域的背景のもとで変動する.そして,検診というものは,そもそも時代の,また地域のニードによって生じたものであり,ニードに答え応じるものでなくてはならない.結核検診の価値は現在も失われていないし,呼吸器検診の中で,いぜんとして大きなパートをしめている.しかし,その時点のニードにうらうちされて,方法論が展開していくのも必然であろう.問題はニードをみきわめることと,ニードに答応するための方法に的確にアプローチすることである.
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