今月の主題 化学療法剤—現状とその使い方
化学療法剤の選び方・原因菌不明の場合
敗血症
富岡 一
1,2
,
藤山 順豊
2
,
増田 剛太
2
1慶大・中検
2慶大・内科
pp.834-835
発行日 1973年7月10日
Published Date 1973/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204805
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敗血症には自然治癒がなく,抗生剤療法の登場により,はじめて治癒が期待できるようになった疾患である.しかし近年グラム陰性桿菌(GNR)性敗血症が増加し,難治性とshock対策から,治療法には従来にもまして,多くの識者の関心がよせられている.しかもGNR性敗血症の経過はきわめて早急である.筆者らの経験では71例中39例が死亡し,死亡した39例中22例は血液培養陽性の日より1週間以内(15例は3日以内)に死亡している1).したがって菌検出上に迅速性がつよく要求される一方で,菌検出,確認をまたずして早々に治療にふみきらざるをえなくなっている.これらを勘案しての菌陰性ないしは不明時の敗血症の治療法にふれてみる.
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