今月の主題 問診
系統別問診法
婦人科的問診のすすめ方
古谷 博
1
1順大・産婦人科
pp.702-703
発行日 1973年6月10日
Published Date 1973/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204762
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すべての場合にあてはまることであるが,問診は診断の出発点であるから,その上手下手によっては診断の予知に影響するのみでなく,医師の知識の程度も現われてくるものである.婦人科の問診をうける患者の羞恥恐怖,嫌悪感,疑いなどは深刻なものなので,いたわる気持で患者の信頼をうけなければならない.例えばはじめから形式的に尋問型できいたり,いきなり月経,結婚,妊娠,分娩のことについて問診するのは患者に不快感を起こさせやすい.また同伴してきた夫,母(実母か婚家先の母か),家族(本人との関係)などと一緒に問診する場合には,ことに医師の態度,用語,環境に細心の注意が必要である.
一般に婦人科的問診の際には温和に談話し,はじめは単純な主訴についてたずね,次第に現症,既往歴,家族歴,家族的,社会的環境にふれ,最後に系統的な婦人科問診に入り,患者の信用を得た上で,婚前妊娠,性交,入工妊娠中絶など差恥心を起こさせやすい質問を必要な場合にするようにしなければならない.また一回で全部の問診がすまないことが多く,診察が終わってから追加の問診をすることもある.
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