今月の主題 内科最近の話題
脳血管障害
高血圧のレニン活性値と脳卒中
尾前 照雄
1
,
田仲 謙次郎
1
1九大第2内科
pp.418-419
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204674
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高血圧患者に脳卒中が多発することは周知の事実であるが,脳卒中の病型によって大きな差があり,高血圧と関係の深い順に並べてみると,高血圧性脳症,脳出血,脳血栓,くも膜下出血の順となる.このうち高血圧性脳症は悪性高血圧症や腎疾患の際に高度の拡張期血圧の上昇を伴って見られ,血圧を下げると症状が改善するので,その発症には腎障害と著明な血圧上昇の2つの因子が関与していると思われる.脳出血は拡張期性高血圧のあるものに多く起こるが,腎性因子の関与している可能性がある.脳血栓はむしろ動脈硬化性疾患として理解すべき点が多いし,くも膜下出血は勤脈瘤や動静脈奇形という局所性因子との関係が深い.
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