今月の主題 冠硬化症の新しい知見
冠硬化症の治療
無痛性虚血性心臓病の薬物療法
蔵本 築
1
1東京都養育院付属病院・内科
pp.186-187
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204603
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無痛性虚血性心臓病とは
虚血性心疾患の定義として,1962年WHO専門委員会の報告1)は"冠動脈の病的過程に伴って生ずる心筋の血流減少または停止による,急性および慢性の心機能不全"と述べており,それを1)労作性狭心症,2)心筋硬塞,3)中間型,4)無痛性虚血性心疾患に分類している.
この無痛性虚血性心疾患とは,無症候性,すなわち狭心症などの症状はないが,心電図上虚血性心疾患の所見を示すもので,虚血性ST・T変化が特に運動時に見られるとか,心以外に動脈硬化性病変を伴うものである.いまひとつは慢性心筋障害を思わせる多様な症状を示す群で,慢性心不全,心房細動,心ブロックなどが挙げられ,この診断は他の心疾患を除外するか心以外に動脈硬化性病変を見出すことによって仮につけられるものである.
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