今月の主題 新鮮脳卒中
治療
脳卒中の血管管理
新 城之介
1
1日本医大第2内科
pp.68-69
発行日 1973年1月10日
Published Date 1973/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204563
- 有料閲覧
- 文献概要
血管壁の透過性と脆弱性の亢進
血管の障害には,血管壁の透過性の充進と脆弱性の亢進の2つが考えられ,両者の性質は異なるが,厳密には区別は難かしい.一般に(毛)細血管は生理的状態では,血清蛋白分子はほとんど透過しないが,病的状態では透過性が亢進し,蛋白成分のみでなく,血球など有形成分の漏出(溢出)さえ起こる.溢血斑が生ずるような場合は細血管の脆弱性の充進あるいは細血管抵抗の減弱があるわけである.
この血管の透過性,脆弱性は血管壁のみでなく,流れる血液の性状,とくに血小板,血液凝固線溶系,また血管周囲組織の状態と密接な関連性をもち,これらの総合的機能の表現であると理解される.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.