今月の主題 新鮮脳卒中
診断
ベッドサイドのくも膜下出血の診断
岡部 信彦
1
1久留米大第2内科
pp.34-35
発行日 1973年1月10日
Published Date 1973/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204551
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原発性くも膜下出血
くも膜下腔に原発的に出血した病気を原発性くも膜下出血1)2)という.従来,特発性くも膜下出血と呼ばれたものが,これに当る.単にくも膜下出血の診断といえば,原発性くも膜下出血という病気の診断と解される.
原発性くも膜下出血は,くも膜下腔を走っている動脈の破綻によっておこる.ただし,動脈壁に病変がなければ破綻はおこらない.原発性くも膜下出血の大部分は,脳底のくも膜下にある動脈の,いわゆる先天性嚢状動脈瘤の壁の破綻による出血であり,一部分は動静脈奇形の血管壁の破綻による出血である.まれに感染性動脈瘤の破綻による出血がある.
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