特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
X.血液系
6.ステロイド投与と血液変化
副腎皮質ステロイド剤の投与と白血球増多症
梅原 千治
1
,
伊藤 久雄
1
1東医大内科
pp.1400-1402
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204327
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ACTHや副腎皮質ステロイド(以下CSと略す)を投与すると白血球増多が起こることは古くから知られており,この白血球増多の機序についても種々研究されているが,なお完全に解明されるにはいたっていない.またこの白血球増多は,CSの投与量や投与期間,さらには投与される患者の状態ならびに原疾患によっても左右されるといわれる.したがって臨床的にACTHやCSを使用したさいにみられる白血球増多が,投与薬剤によって惹起されたものか,あるいは原疾患の悪化によって起こったものかを区別することはかならずしも容易なことではない.そこでここにはCSを1回投与したさいの白血球の動きと,連続投与したさいの白血球変動を,私どもの経験に諸家の報告を加味して解説したい.
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