治療のポイント
慢性腎炎と運動制限
三條 貞三
1
1東京逓信病院循環器科
pp.1478-1481
発行日 1971年9月10日
Published Date 1971/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203830
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まず予後の推定を
近年腎不全患者でも人工透析を行ないながら職業に従事することができるようになってきているが,その適用は一部腎不全患者に限られ,たとえ透析可能な場合でも患者の長期間の肉体的・精神的さらに経済的負担を考慮すると満足すべきものではない.したがって,他疾患に比し自覚症状の発現のおそい慢性腎炎においては,その進行をある程度抑制する意味で運動制限も必要である.その反面,患者の自由を束縛し,社会生活をできなくさせる点11)で不必要な運動制限はさけねばならない.
そこで患者の運動制限を行なうに際しては,まず腎炎の活動性や腎機能障害度を知り,その患者の予後を推定する必要がある.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.