全国教室めぐり
円運動の遠心力と求心力のような医局活動—岐阜大・第2内科
細川 禎正
1
1岐阜大第2内科
pp.1274-1275
発行日 1971年7月10日
Published Date 1971/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203777
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教授のプロフィール
昭和42年9月,京都大学第3内科より着任された早瀬教授は京大在任中より循環器,神経系統を中心に研究を続けてこられ,広く学会に貢献されてきた.岐阜大学ご着任以来も早速両系統の疾患及び第2内科の伝統的課題である糖・脂質代謝の研究体制を精力的に整えてこられた.教授は単に机の上,理論の上での学者ではなく実験的・体験的学問を非常に重要視される.この1つのあらわれとして,同教授は各実験グループの現場へしばしば顔を出され気さくに討論に加わり,若い医局員の素朴な質問にも納得のいくまで指導される.また時として実験が行きづまりかけたような時には,たとえ日曜日であっても"よっしゃ"と自から実験室へ足を運ばれることもある.このような早瀬教授の学問への情熱は臨床においても研究においても教室員の大きな励みであり,また,これ自体私たちが師と仰ぐべき点の1っであると考える.
早瀬教授は学問においてエネルギッシュであると同様,私生活においても常にactivityに富んだ活動家である.通勤には自からセドリックのハンドルを握りシーズンにはスキーを楽しみ,多忙な日々に暇をみつけては医局員を率いてスタミナ料理に舌つづみをうち,或いはネオンまたたく柳ケ瀬にグラスを傾けるrこんな時,早瀬教授は青年時代の思い出話,或いは貴重な体験談からはじまり,やがて話題は世界を論じ,さらには大宇宙の原則にまで及ぶ.歓談の中にも医師というものは学問としての医学のみを理解すれば良いのではなく,広く人間を,自然を理解するべきであることを身をもって私たちに教えておられるようである.
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