特別記事・学会の話題 '71 日本医学会総会・内科関係学会から
放射線診断領域で新しい試み—第30回日本医学放射線学会総会から(4月3,4日:東京)
吉村 克俊
1
1関東逓信病院放射線科
pp.1134
発行日 1971年6月10日
Published Date 1971/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203741
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放射線医学領域にも電算機の導入
東大宮川教授を会長に,座長はすべて若い中堅の第一線の方々により,会は活発に行なわれた 臨床上は診断,治療,核医学の3本の柱であるが,物理,生物といった基礎的なものを含めて唯一のシンポジウムは「放射線医学情報処理」がとりあげられた.広く医学的応用が叫ばれている電算機応用が,放射線医学領域でも用いられんとし,また用いられてもいる.診断部門の中でX線フィルム読影作業が重要なしかも努力を要するものであり,解読の標準化,情報の利用度をよくするために,マーク・カードに一定のフォーマットで記入する方法が用いられ胃集検に関するマーク・シートを作成し,従来の記述式所見報告に代えて日常使用に供している状況を報告された.またがん登録と診療記録への電算機応用や,核医学におけるアイソトープ・イメージ装置からのデータがアナログもしくはディジタルのイメージとして見易い形に表示され,また放射線治療計画や線量分布への応用も行なわれている.いずれにしろ,機械,人件費等の費用に従来の人手による方法が見あうためには,よほど周到な体制と準備が必要と考えられる.
一般演題は293に及び,そのうち170が口演で発表時間も8分を許された.診断が10,核医学が10,治療が7セッションに分かれている.
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