特別記事・学会の話題 '71 日本医学会総会・内科関係学会から
「心疾患の自然歴」を聞いて—第35回日本循環器学会総会から(4月3,4日:東京)
岸本 道太
1
1国立東京第一病院循環器科
pp.1131
発行日 1971年6月10日
Published Date 1971/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203738
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「自然歴」とは何か
シンポジウムは自然歴というテーマでそれぞれ先天性心疾患,後天性弁膜症,冠不全についての報告と討論がなされた.そもそも自然歴の定義はむずかしく,厳密にいえば発症から何ら治療を加えないで放置した場合,その患者の運命がどうなるかということと思うが,先天性心疾患で生後数カ月間をのぞき,実際には何らかの内科的処置または管理がなされており,厳密な意味での自然歴が得られるのはむしろ例外である.いいかえれば,ここでいう自然歴とは外科的治療をうけないこれらの疾患が内科的治療,管理のみでどのような予後を示すかということと解釈してよい.それがまた,外科的療法の適応を決める上に参考になることでもある.
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