臨時増刊特集 身体所見のとり方と診断のすすめ方
●小児の身体所見のとらえ方
XXI.口腔所見と消化器症状
5.血便
加藤 英夫
1
1順大小児科
pp.960-961
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203702
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色と性状からわかること
血便もまた小児では日常多く見る所見である.まず血便の色であるが黒っぽい血便である時には母親は「血便が出た」とは言わず,「黒い便が出た」という.この時は血液は鼻腔,口腔,食道,胃,十二指腸ないし小腸上部からの出血と考えてよい.黒っぽい血便であるが,中に赤いあるいは赤黒い血液を混じている時は小腸の上部以下の出血があったものとしてよい。一見して赤い血液が,そのまま出たり,便に混じたり,便の表面についている時は小腸下部ないし直腸,肛門付近から出血していると考えられる(表4).
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