Current Abstracts
ムチを惜しめば学生はスポイルされる
Morton Levitt
1
,
浦田 卓
1American Psychoanalytic Association
pp.947
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203694
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アメリカの産業文明を支配し動かしている両親たちこそ,活動的な学生反乱の寄せては打ち返す運動を背後から押しすすめている主要な元兇である.彼ら学生たちは,かつては大学の活動の試金石ともいうべきものであった理性と対話を,明らかに放棄してしまっているが,これは,子どもたちをなんら拘束することなく甘かし育ててきた家庭に対して欲求不満を覚えた世代が示した,最初のそして強烈なあらわれである.アメリカの社会を再組織せんとするキャンペーンに参加した多くの人びとは,その両親のリベラルな政治的見解だけを保存し,両親の養育の他の特徴は,これを積極的に放棄して顧なかった.両親が,その幼年期や思春期の息子・娘たちとの衝突を故意に回避したからこそ,彼ら子どもたちは,家庭の生温い拘束を後にするや,極端にはしる行動に耽溺するようになったのではないか.
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