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第18回日本医学会総会を控えて
日戸 修一
1
1日医広報
pp.262-263
発行日 1971年3月10日
Published Date 1971/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203523
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4月5日からの東京での5日間,学者も町の医者たちも総力をあげる,医学の世界の人たちの最高・最大の行事である第18回日本医学会総会(以下総会と略称する)はもう目の前にせまった.日本医学会当局(日医にある)の首脳の人たちが名古屋をおわって,殊に昨年春から,ほとんど会議と企画能率化とにひまのなかった様子を拝見すると,4年に1度のこの総会は,やがて5年に1回,いや10年に1回にしなければ会場の膨大,ジャンボ・マンモス化はともかくこなしても,医学の内容の膨大さは,それを一本化したセットで整理するのに追いつけなくなるだろう.
医学は今や巨大な不老不死の生きものだ.年々発育し今年の学会では,今日では一大分科となったME(medical electronics)始め医学情報,エコロジー,倫理に及ぶ.医学とその関連科学との研究発表が随所に目につく.工学,生物学などとの関連科学がずっと医学に食い込んできている.今年の総会はその意味では過去の医学の成長であり,現在・未来に及ぶ研究像があり,今までにない生きている巨大な生物「医学」の立体像を感ずる.
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