診断のポイント
マイコプラスマ肺炎
原 耕平
1
1長崎大第2内科
pp.1687-1690
発行日 1970年11月10日
Published Date 1970/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203402
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マイコプラスマとは
マイコプラスマ肺炎の,「マイコプラスマ」という言葉をはじめてお聞きのかたも多かろう.従来,原発性異型肺炎の病原体とされたEaton agentが,1898年Nocardらの分類したマイコプラスマ属の1つに属することがその後の研究によってわかり,この病原体(My. pneumoniae)によって惹起される肺炎が,「マイコプラスマ肺炎」と呼称されるようになったのである.
もちろん,人間から分離されるマイコプラスマには,現在6つのものが知られている(My. pneumoniae,orale,salivarium,hominis,fermentans,T-strain).口腔内から分離されるものは前3者が多く,その中でも病原性を有して,肺炎をはじめ気管支炎,感冒様症状を惹起せしめるのはMy. pneumoniaeのみとされていて,その他のマイコプラスマ(orale,salivarium)については病原性はないとする意見のものが多い.My. hominis,fermentansおよびT-strainは,主として泌尿器系の病変をおこす.
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