話題
—呼吸器病,これからの問題点を示唆—第10回日本胸部疾患学会総会から(7月13-14日・仙台)
滝島 任
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1東北大第1内科
pp.1495
発行日 1970年9月10日
Published Date 1970/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203351
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本年の胸部疾患学会は,1施設3題といったかなり厳しい出題制限にもかかわらず,集まった一般演題173を数え,ほかに招請講演2題,シンポジウム4題と極めて盛沢山な内容に満ちたものであった.また出題された施設にかたよりが少なく各地から平均して集められたということで,今学会は本邦における胸部疾患の今日におけるレベルを示したものとして特に興味が持たれた.
招請講演のIで,東大中尾教援は,先に三上博士らとともに出版された"全身性疾患と肺病変"を中心に,自験例での解説を示された.肺は古くから全身疾患の窓といわれ,心臓脈管系の疾患ばかりでなく,代謝異常や免疫疾患その他いろいろな疾患において特有な異常をわれわれにみせてくれる.結核以外の肺疾患がますます増加しつつある今日,このように多彩な所見の判読は,胸部臨床医を常日頃悩ませている問題だけに今後ますます重要になると思われる.
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