X線メモ
経口的大腸迅速造影法
恵畑 欣一
1
1日医大放射線科
pp.1487
発行日 1970年9月10日
Published Date 1970/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203348
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大腸のX線検査法には単純撮影法と造影による方法とあり,後者はさらに経口法と注腸法に分けられ,それらはそれぞれに独特な意義があり,有用ではあるが,機能を見るためには経口法を,器質的病変の検査には注腸法がまず第一にあげられなければならない.器質的変化を見るという点では経口法では従来行なわれている方法ではきわめて観察に長時間を要し,そのうえ忍耐と手数をかけても十分な所見を得ることはできない.また注腸法では短時間に大腸を観察することはできるが,いろいろめんどうで,患者にとっても肉体的,精神的な負担が相当多いもので,胃の集団検診をするようには大腸検査のスクリーニング方式としてとてもつかえない.そこで短時間で小腸,大腸の観察を行ないうるような方法が多くの人々の努力によってなされ,消化管迅速造影法が行なわれるようになった.有名なものとして経口法には硫酸バリウムの生理的食塩水溶液,水冷食塩水(Weintraub),硫酸バリウムにテレパーク,ビリセレクタン,プライオダックスなどの胆嚢造影剤を混合する方法(Zimmerら),ソルビトールを混合する法(Ellisら),ガストログラフィンを用いる法(新妻ら)などがあり,注射法ではネオスチグミン(Ma-rgulisら)が有名であるが,ベサコリン(斎藤,恵畑ら),プリンペラン(浅川,渡辺,恵畑ら)などがある.
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