病理夜話
肺炎
金子 仁
1,2
1国立東京第一病院病理
2日医大
pp.1220
発行日 1970年7月10日
Published Date 1970/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203279
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この頃大葉性肺炎(クループ性肺炎)はめったに見られなくなった.剖検して肺炎といえば気管支肺炎(小葉性肺炎)が大部分である.それも老人と小児に多い.肺炎を剖検して,肉眼的に見ると,大葉性肺炎は上葉とか下葉とか,広い範囲に亘って灰白色充実性の病巣が認められ,気管支肺炎はポツポツと狭い範囲に病巣が散在する.
組織学的に見ると,両型の肺炎ともに通常は空気の入っているべき肺胞の中に,漿液とか,白血球とか,線維素などが充満している.赤血球もしばしば認められる.
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