Current Abstract
低所得家庭の子どもには鉄欠乏性貧血が多い—American Journal of public Health, Feb. 1969
pp.759
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203140
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Guteliusの報告によれば,小児健康相談所を訪れた低所得家庭の黒人子弟について調べたところ,鉄欠乏性貧血が蔓延していたという.ヘモグロビン値10Gm/dl以下のものは,それらの子どもの29%を占め,10.5Gm/dl以下のものとなると,ほぼ50%を占めていた.これらの子どもは,十分な育児相談を定期的に受けていたものばかりであった.貧血は生後6カ月めに高くなり,12-17カ月でピークに達し(全児童の65%),つづいて急速に低下した(表参照).
この研究は,社会的・経済的に恵まれざる幼児および小児には鉄欠乏性貧血が高頻度に存在しているという他の研究結果を,裏書きするものである、上述の研究では,十分な健康管理を持続していても,貧血はやはり生じたのである.著者は,低所得家庭の子どもが鉄欠乏性貧血をひき起こさないようにするため,ミルク中に1日あたり12mgの鉄をぜひ加えるよう提唱している.
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