Current Abstract
電解質溶液によって血液を置換する—Archives of Surgery, Jan. 1969
pp.760
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203141
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Rushとその同僚らは,外科手術中に喪失した血腋を"緩衝液を加えた食塩水"で置き換える.という臨床的研究をアトランダムに行ない,その結果をさいきん発表した.それによると,対照群には輸血を行なったが,他の患者にはハルマトンの溶液(乳酸塩を加えたリンゲル液)を注射した.リンゲルの乳酸塩の与え方であるが,それは,失なわれた血液を測ってその1ccあたり,3対1または4対1を目安とした.
食塩水による喪失血の置換は,ヘマトクリット値をしばしば測定して,これを監視した.ヘマトクリット値が28%まで下がると,この値を維持するに足る血液を輸血した.さらに,術中の尿排泄量と中心静脈圧を,全患者について観察した.ヘマトクリット値の変化は,"緩衝液を加えた食塩水"で血液をどこまで置換しうるかの程度を決める指標としては,信頼しうる目安であり,また,輸血をいつ開始すべきかのギリギリの線を指示する指標としても,またすぐれていた.ただし,この目的には,尿排泄量と中心静脈圧は,ほとんど価値がなかった.
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